先日「鍼灸で性格とかは直るのでしょうか?」というお問い合わせがありました。
性格を直すために鍼灸???
東洋医学は古くから、精神的要因も発病因子の一つとして考えられています。七情(怒・喜・憂・思・悲・憂・恐・驚)と呼ばれ、特に臓器(五臓)と関連づけられています。これらの精神状態が強過ぎたり長期間続いたりすると氣を乱し、病を引き起こします。現在でいうところの「ストレス」ですね。
ちなみに、七情と五臓の関連は以下のとおりです(基礎中医学)より引用)。
- 怒は肝を傷る。
- 喜は心を傷る。
- 思は脾を傷る。
- 悲・憂は肺を傷る。
- 恐は腎を傷る。
- 驚は心腎を傷る。
前述のお電話の方、よくよくお話を聞いてみると、ご相談内容は性格とは関係のないことで、しかもご自分のことではなく奥様のことでした。
鍼灸で氣血の巡りが改善され、ひいては精神が安定するということはありますが…「性格を直す」とは違いますからね。
「性格を直す」という表現にも正直違和感を感じます。百歩譲るとしても、直す対象が自分でなく他の人って、ね…自分にとって都合が悪いから直したいって聞こえます。
ま〜、私もそう思うときもあるので、言いたくなる氣持ちはわかりますが…
結局電話の主には、●お話を伺った限り、その状態は異常でもない、●鍼灸は精神状態に影響を与える可能性はあるけれど「性格を直す」という目的には適わない、●奥様に「直したい」という氣持ちがないのに無理強いするのは賛同できかねる、という趣旨をお伝えしました。
電話を切ってしばらくして、「あの電話は本当にご相談だったのか?」と思いました。そして、電話の主ご本人に鍼灸をおススメすればよかったかも…と氣がつきました。
人の価値観は本当に多様です。それに氣づくには、単純だけど「他者に出会う」こと。いろいろな人たちと出会って、その人たちの考えや思いを聞いて、自分の考えや思いなどもシェアして、自分の中にあるスペースを少しでも広げること。
お電話での会話が「氣づき」のきっかけになることをささやかに祈ります。
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